世界の国旗の歴史|最古の国旗から現代までの変遷
国旗は国家のシンボルとして数百年の歴史を持ちますが、現在のような「国旗」の概念が定着したのは近代になってからです。世界の国旗の歴史をたどってみましょう。
国旗の起源
旗そのものの歴史は古く、古代エジプトやローマ帝国でも軍旗や王家の旗が使われていました。しかし、これらは王朝や軍隊の旗であり、「国民を代表する国旗」とは性質が異なります。
現在使われている国旗の中で最も古い歴史を持つとされるのはデンマークの国旗「ダネブロ」です。伝承によれば1219年、エストニアでの戦いの最中に空から赤地に白十字の旗が降ってきたとされています。この伝説の真偽はともかく、ダネブロは少なくとも14世紀から使われていた記録があり、現存する最古の国旗として知られています。
大航海時代と国旗
15世紀以降の大航海時代になると、海上で自国の船を識別するために国旗の重要性が高まりました。オランダ、イギリス、スペイン、ポルトガルなどの海洋国家が次々と国旗を制定し、植民地にも自国旗を掲げました。
オランダの横三色旗(赤白青)は現存する最古の三色旗の一つとされ、後にフランスやロシアの国旗に影響を与えました。イギリスのユニオンジャックは1606年にイングランドとスコットランドの旗を組み合わせて誕生し、1801年にアイルランドの聖パトリック十字が加わって現在の形になりました。
革命と独立の時代
18世紀末から19世紀にかけて、革命や独立運動とともに多くの国旗が生まれました。
アメリカ独立戦争(1776年)で星条旗が誕生し、フランス革命(1789年)で青白赤の三色旗が掲げられました。フランスの三色旗は自由・平等・博愛の象徴として世界中に影響を与え、多くの国が三色旗のデザインを採用するきっかけとなりました。
19世紀には南米の独立運動で多くの国旗が制定されました。シモン・ボリバルの大コロンビアの旗(黄青赤)は、コロンビア、ベネズエラ、エクアドルの国旗の原型です。
20世紀:独立ラッシュと国旗
20世紀は国旗が最も多く生まれた時代です。特に1960年代のアフリカ独立ラッシュでは、わずか数年の間に数十の新しい国旗が制定されました。1960年だけで17カ国が独立し、汎アフリカ色(緑黄赤)を取り入れた国旗が次々と誕生しました。
アジアでも第二次世界大戦後に多くの国が独立し、インド、インドネシア、ベトナムなどの国旗がこの時期に制定されています。
最も新しい国旗
21世紀に入ってからも新しい国旗は生まれています。2011年に独立した南スーダンは世界で最も新しい独立国であり、その国旗(黒赤緑の横三色に青い三角と黄色い星)は世界で最も新しい国旗の一つです。
また、モーリタニアは2017年に国旗のデザインを変更し、上下に赤い帯を追加しました。リビアも2011年の政変後に以前のデザインに戻しています。国旗は国の歴史とともに変化し続けるシンボルなのです。